2012年5月27日日曜日

帰国報告会

先週末の5月25日(金)サンパウロで26期生の帰国報告会がありました。
2年間の活動を振り返り、発表する会です。
私たちの同期生29名が一人10分ずつ報告しました。

もう2年経つんだな~と時の流れが速いことをしみじみ感じました。


仲間の発表を聞きながら、うんうんと共感することばかり。
横浜での研修から、苦楽を共にしてきた仲間です。
楽しいことも、苦しいことも共に乗り越えてきました。
それぞれの性格や人柄も分かっています。
みんな、いろんな苦労をしながらも、必死に取り組んできた様子が目に見えて伝わってきました。
同時に、この2年間、この仲間達と共に歩んできたことが誇らしくなりました。

私もお昼過ぎに発表しました。
この2ヶ月の間、何を伝えようかと毎日、頭の中で2年間の葛藤がグルグルと流れていました。
2年間を10分で伝えるのは、とても難しいですが、私なりの気持ちを伝えることができかなと思います。
ちなみに、なぜか、鹿児島弁での発表になっていました!!!!
びっくり!!!
途中で気付きましたが、標準語に戻すことはできず。

私は、日本語教師という手前もあり、研修中から、なんちゃって標準語を話しています。
この2年間、鹿児島弁を使ったのは、鹿児島の友人に会ったときの2回のみ。
同期の仲間も私の鹿児島弁を聞いたのは初めてで、びっくり!
素の私になったようです(笑)


報告会終了後は、なんだか一気に脱力感に襲われてしまいまいた。
無事に報告できたことと、残り1ヶ月という寂しい気持ちとで、センチメンタルな気持ちに。
きっと残りの1ヶ月はびっくりするくらいの速さで過ぎていくと思います。
一日、一日を大切にしながら、過ごしていきたいと思います。


私の帰国ですが、6月30日(土)16:30に成田着です。
3日間の東京での研修の後、7月4日(水)18:30に鹿児島着の予定です。


ふるさとを想う気持ち

ブラジルには日本各地からたくさんの人たちが移民してきました。北は北海道から、南は沖縄から。
そして、それぞれの県ごとに、県人会を作り、現在も活動しています。
もちろん、私の出身地の「鹿児島県人会」もあります。鹿児島県出身の2世、3世を留学生として鹿児島の大学に送ったりしてます。

サンパウロには、鹿児島県人会館もあります。格安で泊まれるので、日本からの研修生や留学生が宿泊しています。











やっぱりありました!
西郷さん
桜島



なんだか懐かしくなりました。

それから、鹿児島と言えば、やっぱり「おはら節」!小学校のときよく踊ったものです。

この「おはら節」。ブラジルにも伝わっていました。
アリアンサの盆踊りで見ることができました。踊りはブラジル風にアレンジされていますが、やっぱり、感動!です。まさかブラジルで見るとは思いませんでした。

郷土を愛する気持ちはいつの時代も変わらないんだな~。

2012年5月23日水曜日

お話発表会

地区のお話発表会がありました。私にとっては、最後の学校行事です。
昔は、「弁論大会」だったようですが、今は、「お話発表会」に。生徒に少しでも日本語を発表する機会を与えようという趣旨です。なので、発表の仕方もいろいろ。一人で、グループで、劇などなど。

前半は、5歳から12歳以下の子ども達の発表。
大きな舞台で、母語ではない日本語を発表します。自己紹介、大きくなったら・・・などなど。
ドキドキです。でも、みんなとっても上手に発表していました。


 



グァララペスの9歳の女の子です。

私は中上りえです。9歳です。私の誕生日は5月29日です。私はさしみが好きです。
私のうちに鳥がいます。名前はききです。1歳です。銀色と黄色です。よく飛びます。
どうぞよろしくお願いします。

勉強を始めて1年です。家でも練習。
ブラジルの学校にもノートを持って行って、1週間で覚えてきました。すごいです!
原稿を作るとき、自分の好きなこと、言いたいことを嬉しそうに説明してくれました。












後半は13歳以上の生徒です。日本語を勉強して間もない生徒から、日本から帰国した生徒までいろんな生徒がいます。それぞれのレベルに合わせて発表です。
 



ペナポリスの14歳の女の子。










私の名前は川村ゆり子です。14歳です。私は犬が好きです。私のうちに犬がいます。
名前はガルです。大きいです。茶色いです。寝るのが好きです。
私は大きくなったら、建築家になりたいです。数学が好きだからです。
私の父はエンジニアです。私が建築家になったら、父を手伝いたいです。
夢がかなうように、がんばります。

とても恥かしがりやの生徒です。が一生懸命覚えて、堂々と発表していました。

どの生徒も、去年よりも上手でした。少し自信がついたかな!


1年前は、私は、このお話発表会のことをあまりよく思っていませんでした。生徒は自分で原稿を書けないし、発表のために追われる気がして、何か役に立っているのかな・・・と。

でも、2年目になると、お話発表会はあっていいな!って気持ちになりました。
もちろん、原稿は生徒がポルトガル語で書いたものを、教師が簡単な日本語にします。
けれど、生徒が一生懸命、自分の言いたいことを覚えて、発表するっていう過程が大切だなって!それを通して、日本語の語彙が増えたり(多分)、発音が良くなったり、発表の礼儀を学んだり。
成長してるなっていうのを感じれたからだと思います。

また、保護者にとっても、子どもが家で練習しているのを見たり、堂々と発表しているのを見るいい機会にもなります。


5歳~12歳以下
13歳以上







2012年5月14日月曜日

最近の学校の様子&思うこと。

寒い日が続いています。ブラジルでは、寒いと、日本語学校に生徒が来ません!休んでしまいます。ブラジルの学校にはちゃんと行っているようですが、習い事になると、ちょっと遠くなるようです・・・
それでも、休まずに来る生徒もいます!

最近の学校の様子です。

グァララペスでは、生徒がめっきり減ってしまいました。5人くらいになりました。大学進学、ブラジルの学校が忙しい、他の習い事がある。すぐに成果が出るわけではない日本語を勉強し続けるのは大変です。これまで、私自身もいろいろと努力はしてきましたが、長年の学校の体質などもあるのでしょう。難しいところです。

頑張って勉強してる生徒も、私の帰国と共に辞めます。(これも仕方のないこと)
なんだか最近は、勉強をするっていうよりは、日本語になじむ、日本文化を楽しむ時間になっています。
少し前までは、それでいいのかな?日本語学校の役割は?って考えたりもしましたが、悩んだ結果、「これでいいんだ!」ってようやく思えるようになりました。

どれも、私じゃないとできなかったこと。
1年、2年という短い期間だけど、純粋な日本人と接し、日本の何かを学ぶことができたことは、生徒のこれからの人生にとっては、何かしらの影響を与えられたんだろうって思います。
(自分自身がALTから影響を受けたように)

こちらは、「ケンケンパ」!子どもたち大好きです。体力もあるし。
ちなみにジャンケンのかけ声は日本と同じです。
 


こちらは「こどもの日」。ブラジルは10月が子どもの日ですが、日本を意識して、折り紙でこいのぼりと吹き流しを作りました。こいのぼりより、吹き流しを気に入って、何個も作っていました(笑)
写真映りがよくないです・・・















一方のペナポリス。
2003年にできた日本語学校ですが、現地教師、学務部長、生徒、保護者に恵まれ、少し安定したかなって思います。もちろん、問題や授業の進め方など、いろいろ課題はありますが、生徒がいる、喜んで学校に来るって、嬉しいことです。
こちらの生徒達は、夜、学校にやってくる生徒がほとんどです。小さい子たちがです。
朝はブラジルの学校、昼は習い事が忙しく、また親も仕事のため送り迎えができないため、夜に来ます。
頑張るな~って思います。
いろんな年齢層の子どもたちがいて、進度もレベルも様々ですが、それがお互いいい刺激になってるようです。何より、たくさんいるので、歌を歌えば盛り上がり、折り紙をすればワイワイ!
疲れた様子でやってくる子ども達が一気に元気になります。
子どものキラキラは、私の元気の源です。


母の日の折り紙














作:14歳の女の子
作:7歳の女の子


少しずつこの2年間を振り返っています。濃い2年間なんだろうなって思います(笑)。

JICAボランティアには、「○○をしなさい」というような決まりはありません。あくまでも、自分の目で見て、現地の視線にたって、求められている活動をする、です。
「これがいい!」って言った基準もありません。場所が違えば、求められていることも違い、できることも違い。十人十色です。
いい意味では「何をしてもいい!」、別の方向から言えば、「したくなければ何もしなくてもいい・・・」。
どこまでも、自分次第です~。

これまで、常に誰かに評価される中で生きてきました。学校、仕事、家族、友達、近所の人・・・。
ある一定の決まった基準があり、その中でごちゃごちゃと評価され、「自分は何者か?」「自分のことを知らないのに、勝手に決め付けないで」って、もがいてきました。
そんな中で生きている自分が、すごく嫌でした。狭い世界だなって。

けど、自分はその世界に慣れ親しみすぎていたんだなって、あらためて気付かされました。
そして、それに、とらわれ過ぎていたなって。


残り1ヶ月と少しを前に、そんなことを考える日々です。
(ちょっと長文になってしまいました・・・)








2012年5月13日日曜日

すき焼き

寒い季節になると食べたくなるのが「すき焼き」!ブラジルでも人気の食べ物です。
知り合いのお宅で食べさせて頂きました。体が温まっておいしいです。
ちょっと写真映りが悪いですが、おいしいかったです!













すき焼きの作り方はどうしているかというと、日本料理の本があるのです。
 




ブラジルで作られたこの料理の本。ポルトガル語で書かれています。
中を見ると、日本移民がこの国で受け容れられている重みを感じました。

ちなみに、ブラジルのすき焼き。油ではなく、バターを使います。
ちょっと濃厚な感じ!?

このすき焼き。
場所によっては、「すき焼き会」をし、日系団体の資金源にするところもあります。
 


上の写真は、同期の仲間がいるイタペチでの様子。去年の7月に行われたものです。
4人ずつのセットにして、自分達で作るというやり方をしていました。

大人数で、ワイワイ言いながら、鍋をつっついて、食べるのはいいですね!



2012年5月6日日曜日

敬老会

5月1日は「労働の日」で祝日。毎年、グァアララペス日伯文化協会ではこの日に『敬老会』を開催しています。日本人会ならではの行事です。お年寄りに敬意を示す大切な日です。高齢化が進んでる文協ですが、きちんとおもてなしをしています。
 


前日から婦人会は料理作り。日本では仕出し屋さんにお弁当を注文しますが、ブラジルにはありません。なので、料理は全部手作りです。













寿司、おいなり、赤飯、煮しめ、鶏肉のソテー、ミニ焼き鳥、パステル、コッシーニャ、春雨の酢の物、まんじゅう、寒天。










ごちそうが並びます。

そして、お土産のお弁当も。













こちらは、敬老者の皆様。みなさんおめかしをして、いらっしゃいます。
この年代の方々は、1世、2世、3世です。ブラジルで生まれた方がほとんどですが、日本人として育てられた世代です。時間などきっちり守ります。











そして、市長も毎年、お祝いにいらっしゃいます。日系社会に興味を持って頂けるのは嬉しいことです。でも、それは、この地で、これまでの方達の功績が大きいということも言えるかもしれません。

最高齢の方の乾杯の後、ご飯をおいしく頂きます。
 

日本語学校の生徒もお祝いの発表を。
自己紹介、大きなくりの木の下で、アイアイ、マルモのおきて。
 

はっぴを着て世界花音頭。










生徒も減ってしまい、この日の参加は3名のみ。時代の流れなどのため、もうどうしようもできません。

でも、子どもの発表っていいですね。会場にいる方達が自然と笑顔になります。子どもの力ってすごいなって思います。


こうやって、会員の方達と過ごす行事も残りわずかになりました。私は、あまり人見知りをするタイプではないので、気軽に話をするほうですが、今までは、緊張感があったんだなってあらためて思いました。
今回、いろいろな方と話をして、家族のように、ブラジルにもう何年もいるような感じになり、打ち解けて話ができた気がします。もちろん、それだけの年月が過ぎたっていうのもあります。

日系社会も高齢化が進み次の世代があまりいません。会員の減少も進んでいます。
4世、5世、これからの世代の人たちは、ブラジル人として生きています。それは、この地で生きていくには必要不可欠なことです。

いろんな方と話をして、みなさんその現実を受け止めているのを感じました。
時代の流れに逆らうことなどできません。

なんだか思うのは、これからの時代、日本人、ブラジル人、アメリカ人・・・っていう、「○○人」はあまり関係のないような気がします。国籍上はどうしても大切なことかもしれませんが、グローバル化が進んでいるこれからは、一人の人間として、相手の『心』をちゃんと見れる人が求められているのかなって、そんなことを考えたりもしました。


2012年5月5日土曜日

ミニ林間学校

久しぶりのブログ更新です。いつの間にか4月から5月に。びっくりするくらいの速さで時が過ぎていっています。最近のブラジルは、雨続きで冬のようは寒さに。かと思えば、真夏のような暑さが戻ってきたり。ブラジルは1日の中に四季があるって言いますが、本当にその通り。春夏秋冬が1日の中にあり、寒いか暑いのか今だに慣れない日々です。日本の四季が本当に懐かしいです!

4月にあった行事を紹介します。12歳以下の生徒を対象にした1日林間学校です。去年と同様、ぺナポリスの保護者が持っていらっしゃる別荘をお借りしました。写真がありませんが、本当にキレイな所です。日常生活を忘れさせるような癒される所です。

1.開会式
  誓いの言葉、ラジオ体操など










2.自己紹介
  日本語を勉強し始めて1年以上の生徒がほとんど。だんだんと、慣れてきたようで、堂々としていました。
ペナポリス
グァララペス

3.歌
  大きなくりの木の下で、アイアイ、アブラハムには七人の子、カレーライスの歌。松本ぼんぼんも踊りました。
 

4.工作
  プラスチックのコップと新聞紙を使って剣玉づくり。
 

5.ゲーム
  輪くぐりや、新聞紙でボールリレーなど。

これらの行事を9時から12時の間に行いました。ラジオ体操、歌、工作は私自身が林間学校に参加できるのが最後ということもあり担当しました。
今までは現地の先生方にお願いして、私はアシスタント役に徹しようと思っていました。でも、子ども達にとって日本から来た先生に触れることができるのは、ずっと続くわけではありません。ほんの何年間です。また、私という人間と過ごせるのも、残りわずか。
そう思ったら、私が子ども達に少しでも体験して欲しいと感じたことを思い切ってやってみようと思い、担当しました。子ども達のキラキラした顔をみることができ、元気をもらいました。

6.昼食
   サラダ、おにぎり、シュハースコ。保護者の方の準備です。
 

午後は敷地内を散歩したり、プールで泳いだり。みんな家族や友達と好きなように過ごします。家族の時間も大切に!はブラジルらしいです。

7.閉会式
  お礼の言葉。今年はペナポリスの10歳の生徒にお願いしました。

「みなさん林間学校はどうでしたか。私は歌を歌ったり、みんなと遊びました。とても楽しかったです。友達もできました。また来年も参加したいです。最後に、林間学校を準備してくださったみなさんありがとうございました。」





たったこれだけの言葉ですが、日本語が外国語である子ども達にとっては、意味を理解し、すらすら読み、暗記するのは大変なこと。でも、この生徒は、1週間で覚えてきました。意味もちゃんと理解していました。生徒の成長にびっくりしました。普段の授業では、一生懸命勉強には取り組みますが、まだまだ遊びたい年頃。でも、彼女なりに、責任を感じて必死に取り組んだ姿が誇りに思えました。

語学の勉強は成果がすぐに出るものではありません。けど、少しずつですが、何かしらの力が子ども達についてきてるんだなって思い、嬉しくなりました。

参加生徒全員で